特集 「次」につなぐ「周産期医療」―次回妊娠への対策と次世代への影響を考える
早産既往妊婦に対する戦略 前期破水
前田 隆嗣
1
,
上塘 正人
1
MAEDA Takatsugu
1
,
KAMITOMO Masato
1
1鹿児島市立病院産婦人科
pp.475-478
発行日 2024年4月10日
Published Date 2024/4/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001516
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
前期破水(premature rupture of the membranes:PROM)とは分娩開始以前に卵膜の破綻をきたしたものをいい,妊娠37週未満に発生する早産期前期破水(preterm PROM:pPROM)が特に問題となる1)。妊娠37週以前に分娩となったpPROMはすべての妊娠の2~3%で発生し,早産(preterm delivery:PTD)の25%以上の原因となっている2~7)。破水した妊娠週数や分娩週数が早期であるほど重症化する。管理は大きく待機的管理と早期分娩に分かれるが,母児の利益は相反し待機することによる感染,常位胎盤早期剝離や臍帯脱出などによる胎児機能不全の危険性を重視するか,早期分娩を選択することによる未熟性を重視するかによって妊娠週数や破水してからの時間,母児の状態を総合して方針を決定する必要があり,症例によって判断は非常に苦慮させられるものとなる。今回はpPROMの管理とpPROMの次回妊娠への対策と次世代への影響を中心に論述する。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.