特集 これでわかる新生児呼吸管理2024
呼吸管理の実際:人工呼吸器による呼吸管理
CLiO2(closed-loop inspired oxygen)
千葉 洋夫
1
CHIBA Hiroo
1
1仙台医療センター小児科
pp.699-704
発行日 2024年6月10日
Published Date 2024/6/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001581
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はじめに
日本の現状として新生児死亡率は世界で最も低く,他の先進国と比べ超早産児の死亡率が際立って低い1)。しかしながら2003年と比べ2016年の慢性肺疾患(CLD)の頻度は高く2),諸外国と比べ治療を要する未熟児網膜症(ROP)の頻度が高い1)。酸素濃度調節は,口元酸素投与から非侵襲的呼吸サポート,侵襲的人工換気まで幅広く行われている。CLDやROPのリスクの高い超早産児において酸素濃度調節は大変重要である。NICUにおいて経皮動脈血酸素飽和度(SpO2)をモニタリングし,SpO2目標値を維持すべく手動による吸入酸素濃度(FiO2)の調節が行われている。手動酸素調節の訓練とガイドライン導入がSpO2目標値の維持につながるが3),NICUで複数の重症新生児を受け持つ看護スタッフにとって呼吸管理時の酸素濃度調節は大変な労力を必要とし,SpO2目標値を維持することは容易ではない。今回,吸入気自動酸素濃度調節(CLiO2)の概略から臨床研究,今後期待されることまで広く述べたい。
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