特集 これでわかる新生児呼吸管理2024
呼吸管理の実際:非侵襲的呼吸療法
CPAP(continuous positive airway pressure),BIPAP(biphasic positive airway pressure)
星名 潤
1
HOSHINA Jun
1
1長岡赤十字病院新生児科
pp.694-697
発行日 2024年6月10日
Published Date 2024/6/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001580
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はじめに
持続的陽圧呼吸(continuous positive airway pressure:CPAP)は,持続的に陽圧を負荷することで呼吸障害を改善させる方法である。呼吸障害のある児では呻吟がみられることがある。呼気時に声帯を狭くすることで肺胞が虚脱するのを防ぎ,機能的残気量を増やそうとする。このことを臨床的に応用したものがCPAPである。1971年にGregoryらにより新生児呼吸窮迫症候群(respiratory distress syndrome:RDS)に対するCPAP療法の有用性が報告され1),新生児領域における主要な呼吸管理法として使用されてきた。Nasal CPAP(nCPAP)は1970年代には新生児呼吸障害の管理法として広く普及していたが,1980年代には新生児用人工呼吸器の普及とともに気管挿管による人工呼吸管理が主流となり,CPAPは一時影を潜めた。1987年の北米8か所のNICUの比較検討で,nCPAPを積極的に利用していたコロンビア大学の慢性肺疾患(chronic lung disease:CLD)の頻度が低いことが注目されたことで,nCPAPが再評価され2),現在広く汎用されている。
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