特集 これでわかる新生児呼吸管理2024
呼吸管理の実際:非侵襲的呼吸療法
HFNC(high flow nasal cannula)
神山 寿成
1
KOYAMA Toshinari
1
1岐阜県総合医療センター新生児内科
pp.690-693
発行日 2024年6月10日
Published Date 2024/6/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001579
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HFNCとは?
High flow nasal cannula(HFNC)は高流量,高加湿のガスを経鼻カニュラ(プロング)から投与して使用する非侵襲的呼吸管理方法である。HFNCは酸素療法に分類され,従来の低流量の酸素投与とは違い,十分に加温加湿された酸素と空気の混合ガスをプロングを介して鼻咽頭へ高流量で流す。加温加湿された混合ガスを流すことによって ① 気道粘膜の乾燥を防ぐことができ,気道粘膜絨毛の働きを助け,② その結果,感染予防に効果がある。③ 気道抵抗の上昇を抑える,④ 鼻粘膜が乾燥することで感じる不快感を抑えるという効果がある。また,混合ガスを高流量で流すことによって ① 鼻咽頭腔の二酸化炭素(CO2)を洗い流す,② 気道に軽い陽圧(PEEP)をかける(図1)1),③ 呼吸抵抗が減り呼吸仕事量が減り呼吸が楽になる,④ 設定した酸素濃度の供給が可能になるなどの効果がある。HFNCは新生児にとどまらず,小児領域において睡眠時無呼吸症候群,RSウイルスによる細気管支炎などに使用し,良好な結果を示した報告2,3)や成人領域においてもその有用性を示す報告がみられる。今回は新生児領域の視点からHFNCについて述べる。
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