Japanese
English
Bedside Teaching
nasal CPAPとnasal BiPAP
Nasal CPAP and nasal BiPAP
赤柴 恒人
1
,
堀江 孝至
1
Tsuneto Akashiba
1
,
Takashi Horie
1
1日本大学医学部第一内科
1Department of Internal Medicine Ⅰ, Nihon University School of Medicine
pp.967-974
発行日 1993年10月15日
Published Date 1993/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900748
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nasal CPAP(NCPAP)
1.閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)に対する適応
CPAP(Continuous Positive Airway Pres-sure)とは,自発呼吸下で気道に陽圧を負荷する方法であり,元来は,未熟児のIRDSの呼吸管理に導入された呼吸法である.その作用のメカニズムは,気道に常に陽圧を負荷することにより呼気終末を陽圧に保ち,機能的残気量を増大させて肺胞の虚脱を防ぐことにより酸素化を改善させることにある.したがって,本来のCPAPの目的は上気道-肺胞までの開通性の維持にある.現在は成人の重症呼吸不全(ARDS)の呼吸管理にも応用され適応が拡大されているが,これらの呼吸不全患者にCPAPを適用する場合は,挿管チューブにCPAP装置を接続するか,口マスクに接続して用いるのが通常である.
nasal CPAPは,この通常のCPAPのコンセプトとは全く異なる形でOSASの治療に導入された方法1)である.OSASの基本的病態は,睡眠時に繰り返し出現する上気道(特に咽頭部)の閉塞であり,この閉塞は主として吸気時に惹起される2).図1a1)に示すように,健常者でも睡眠時には舌根部が落ち込み,同時に睡眠による上気道構成筋の弛緩が起こるため上気道の断面積は狭小化する.
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