増刊号 周産期診療のための病態生理
[産科編]
胎盤の病態生理
常位胎盤早期剝離の病態・成因はどこまでわかっているか
本多 泉
1
HONDA Izumi
1
1東京都立多摩総合医療センター産婦人科
キーワード:
常位胎盤早期剝離
Keyword:
常位胎盤早期剝離
pp.248-251
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001288
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基本病因,発症機序,解剖学的背景
常位胎盤早期剝離(以下,早剝)は,児の分娩前に,正常の位置に付着している胎盤の一部またはすべてが子宮壁から剝がれてしまう病態である。胎児は母体からの酸素供給が一部または全部絶たれることにより胎児機能不全となり,胎児死亡となる可能性がある。母体は出血性ショックや播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation:DIC)により母体死亡となる可能性がある。早剝による周産期死亡率は7.6倍といわれている1)。
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