特集 経腟分娩vs帝王切開—分娩様式の選択と対応—
7.常位胎盤早期剝離
金川 武司
1
T. Kanagawa
1
1大阪母子医療センター産科
pp.585-591
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001299
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
常位胎盤早期剝離(早剝)には,様々なシチュエーションが考えられ,それに応じた分娩様式の選択と対応が必要になる。母児の状態が不安定な場合は,主に帝王切開による迅速な分娩が選択されるが,その際に,大量輸液と新鮮凍結血漿(FFP)を中心とした輸血を行い,母体循環・止血系を急速に補正することが重要である。母児ともに状態が安定している場合は,早産期では待機的管理が考慮されるが,正期産期では緊急帝王切開ができる状態で,母体循環動態・凝固機能,胎児状態を評価しながらの経腟分娩が考慮される。胎児死亡を伴う早剝の場合は,母体救命処置ができる高次施設で,母体循環・止血系を補正しながらの経腟分娩が考慮される。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.