増刊号 周産期診療のための病態生理
[産科編]
胎児心拍数
胎児のbehavioral stateの異常はどのように起こるか
安田 俊
1
,
福田 冬馬
1
,
藤森 敬也
1
YASUDA Shun
1
,
FUKUDA Toma
1
,
FUJIMORI Takaya
1
1福島県立医科大学産科婦人科
キーワード:
behavioral state
,
胎児well being
Keyword:
behavioral state
,
胎児well being
pp.191-193
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001272
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胎児behavioral stateに影響を与える因子
1953年の成人における研究により,睡眠は急速眼球運動(REM)睡眠と非急速眼球運動(NREM)睡眠の2つの異なる相または状態で起こることが初めて示され,これらはさまざまな電気生理学的および行動学的パラメータの時間的パターンによって識別される1)。これらの睡眠状態は,胎児においては妊娠週数とともに,特に妊娠36週以降に明確にみられるようになってくる。過去30年間,ヒツジを中心とした慢性ヒツジ胎仔実験モデルや,ヒト胎児の超音波装置の使用によって,出生後の睡眠状態に類似した子宮内の活動または行動状態,behavioral stateが存在することが確証されてきた。これらの活動は,胎児への酸素供給が低下すると変化することから,健康な胎児を特徴づける役割を果たし,胎児の健康状態を評価する際の活動パラメータとなる。
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