増刊号 周産期診療のための病態生理
[産科編]
分娩のメカニズム
前期破水の原因とメカニズムはどこまでわかっているか
高倉 賢人
1
,
最上 晴太
1
TAKAKURA Masahito
1
,
MOGAMI Haruta
1
1京都大学医学部婦人科学産科学
キーワード:
pPROM
,
コラーゲン
,
MMP
,
フィブロネクチン
,
羊膜の修復
Keyword:
pPROM
,
コラーゲン
,
MMP
,
フィブロネクチン
,
羊膜の修復
pp.81-84
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001245
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前期破水の病態
1 病因と発症機序
腟からの上行性感染による子宮内感染,子宮内出血・絨毛膜下血腫,子宮内圧上昇(羊水過多,多胎,子宮奇形など),医原性(羊水穿刺,胎児鏡)などを原因とする卵膜の炎症によって卵膜が脆弱化し,破綻することで発症する。ほかに母体低栄養(body mass index低値),喫煙,母体ストレスなどのリスク因子が知られている1)。破水自体は全妊娠の5~10%に発症し,そのうち60%は妊娠37週以降に発症する。臨床的に問題となるのは,妊娠37週未満で発症した早産期前期破水(preterm prelabor rupture of membranes:pPROM)であり,早産の原因の約30~40%を占める。
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