産婦人科医療--明日への展開 診断基準--新しい局面
Ⅱ.産科篇
前期破水
池ノ上 克
1
,
茨 聡
1
Tsuyomu Ikenoue
1
,
Satoshi Ibara
1
1鹿児島市立病院周産期医療センター
pp.705-708
発行日 1983年10月10日
Published Date 1983/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206880
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近年の周産期医学のめざましい進歩・発展に伴い,多くのHigh Risk妊娠の診断法や管理方針が確立されつつある。しかしながら,前期破水(premature rupture of the membranes,PROM)は,いまだ確立されたアプローチの方法がなく,議論の多いところであり,実地臨床の場にあって最も悩まされる疾患の1つである。
PROMがおこると母児ともに,重篤な感染にさらされる危険が生じ,更に,児にとっては加えて,早産となることも多く,その未熟性に起因する周産期死亡率や罹病率を増加させる大きな原因の1つとなっている。これらの母児双方に及ぶ危険,即ち早期娩出による未熟児出生と,未熟児出生防止に伴う感染症発生のriskを,最小限にくいとめる努力が要求される。そこで本稿では,PROMの診断と管理につき文献的考察を加えると共に,現在我々の施設で行っているPROMの管理の実際について述べてみたい。
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