今月の臨床 早産─予防と対策
前期破水への対応
中井 祐一郎
1
,
山枡 誠一
1
,
橘 大介
1
,
西原 里香
1
,
岩永 直子
2
,
西尾 順子
2
,
今中 基晴
3
,
石河 修
1
1大阪市立大学大学院医学研究科生殖発達医学大講座
2泉大津市立病院産婦人科
3大阪市立大学医学部看護学科
pp.766-769
発行日 2006年5月10日
Published Date 2006/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100133
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はじめに
前期破水の管理は,その発症時期によって大きく分けられる.正期産期,もしくはそれに準じることができる35~36週以降とそれ以前の早期産期とでは,当然考え方も取り扱いも変わるのは明らかである.本稿では後者,すなわちpreterm premature rupture of membrane(pPROM)に限定して議論を進めることとする.
pPROMの問題点は,生理的妊娠のあるべき姿である正期産期における経腟分娩というゴールへ至る過程に対する障害として発生する諸問題,すなわち子宮収縮によって発生する早期産,卵膜の破綻から進行する母児への細菌感染の影響,胎動に必要な空間の保持や臍帯への生理的緩衝に重要な羊水量の減少の影響が挙げられる.また,早期産によって発生する長期的問題としての児の発達に関する問題1)や医療経済的視点2)も忘れてはならない.
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