症例
多血児に新生児遷延性肺高血圧症を発症し集中管理を要した双胎貧血多血症例
山本 香織
1
,
牟禮 岳男
1
,
井上 翔太
1
,
古林 真佐美
1
,
藤坂 方葉
1
,
木原 沙紀
1
,
水野 洋介
1
,
横田 知之
1
,
西野 昌光
1
,
吉井 勝彦
1
YAMAMOTO Kaori
1
,
MURE Takeo
1
,
INOUE Shota
1
,
KOBAYASHI Masami
1
,
FUJISAKA Masayo
1
,
KIHARA Saki
1
,
MIZUNO Yosuke
1
,
YOKOTA Tomoyuki
1
,
NISHINO Masamitsu
1
,
YOSHII Katsuhiko
1
1社会医療法人愛仁会千船病院小児科
pp.1670-1673
発行日 2023年11月10日
Published Date 2023/11/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001170
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はじめに
一絨毛膜二羊膜(monochorionic diamniotic:MD)双胎は胎児間で胎盤を共有し,血管吻合を有しているため,二絨毛膜二羊膜双胎よりも合併症のリスクが高く,MD双胎のうち30%が双胎間輸血症候群(twin-twin transfusion syndrome:TTTS),双胎貧血多血症(twin anemia polycythemia sequence:TAPS),胎児成長の不均衡,子宮内死亡などを引き起こすとされる1)。これらのTTTSやTTTS類縁疾患の病態は,血管吻合のパターンにより決定されると考えられている。TTTSは動静脈間血管吻合を病態の基本としており,両児間の羊水量の差をきたす。一方,TAPSは極細の動静脈間血管吻合によると考えられており,供血児に貧血を,受血児に多血をきたす。
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