特集 知って得する胎児・新生児の心疾患2024
応用編
新生児遷延性肺高血圧症
増本 健一
1
MASUMOTO Kenichi
1
1東邦大学医学部新生児学講座
pp.982-986
発行日 2024年7月10日
Published Date 2024/7/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001645
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はじめに
さまざまな原因により出生後に低下すべき肺血管抵抗が低下せず,胎児期の肺高血圧が持続し,動脈管または卵円孔を介した右左短絡により低酸素血症をきたす病態を新生児遷延性肺高血圧症(PPHN)とよぶ。PPHNの臨床症状は,肺血管収縮の程度,動脈管・卵円孔の大きさと右左短絡の有無,肺動脈と大動脈の相対的な圧較差,両心室のポンプ機能,および関連疾患の重症度によって異なる1)。また,重度の低酸素血症は,心不全や多臓器不全をもたらし予後に影響する。
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