特集 胎児・新生児の消化管機能と消化管疾患
各論
幽門狭窄・閉鎖
神保 教広
1
,
増本 幸二
1
JINBO Takahiro
1
,
MASUMOTO Kouji
1
1筑波大学小児外科
pp.1623-1627
発行日 2023年11月10日
Published Date 2023/11/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001160
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
新生児期に押さえておくべき幽門部疾患として,肥厚性幽門狭窄症が最もよく知られている。生後2~3週間頃より徐々に症状が出現し,病態が進行していく。診断が遅れると重篤な脱水や代謝異常を呈する。そのため,早期診断が重要な疾患であることは言うまでもなく,時に新生児期にも外科的介入が必要となる疾患である。一方で,出生前もしくは生後間もなく頻回の嘔吐を繰り返し診断に至る幽門閉鎖症は,頻度は稀であるものの重篤な疾患を合併したり,胃破裂や胃食道逆流に伴う肺炎などの合併症を起こしたりすることもあり,周産期に携わる医療従事者には,ぜひ知っていてほしい疾患の一つである。本稿では,この2つの幽門部疾患について解説する。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.