特集 胎児・新生児の消化管機能と消化管疾患
各論
十二指腸閉鎖・狭窄
薄井 佳子
1
USUI Yoshiko
1
1自治医科大学小児外科
pp.1628-1631
発行日 2023年11月10日
Published Date 2023/11/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001161
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はじめに
先天性十二指腸閉鎖症・狭窄症は,全消化管閉鎖症・狭窄症の約半数を占め1),出生6,000~10,000人に1例とされている2)。閉鎖・狭窄の部位は下行脚に多い。疾患に特有の遺伝子異常はないが,約半数に合併奇形を伴い,家族内発生も報告されている2)。Down症の合併は約30%と高率である。ほかに先天性心疾患,食道閉鎖や直腸肛門奇形を含む他の消化管奇形,腸回転異常,輪状膵,泌尿生殖器異常などの合併が知られている(表)3)。十二指腸前門脈,膵管癒合不全,膵・胆管合流異常など,膵・胆道系合併症もみられる4)。
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