増刊号 就学・就労支援
第2部 まなぶ:就学
第4章 就学に必要な環境調節—横断的視点から
2 就学に向けた多職種連携のあり方
伊藤 祐子
1
Yuko Ito
1
1東京都立大学
pp.839-842
発行日 2025年7月20日
Published Date 2025/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091513540590080839
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はじめに:就学を巡る不安と支援の必要性
子どもにとって就学は,人生における重要な節目の一つである.それまで家庭や園といった,比較的自由で安心できる環境で過ごしてきた子どもが,学びと集団生活を中心とした小学校という新しい世界に足を踏み入れる.これは成長の節目であると同時に,多くの子どもや保護者にとって不安を伴う経験でもある.
作業療法士として,私はこれまで,重症心身障害のある子どもから発達障害のある子どもまで,さまざまな特性をもつ子どもたちとかかわってきた.その中で実感するのは,就学に向けた支援とは,子どもの発達的・社会的な準備だけでなく,保護者や支援者,そして地域全体の理解と協働によって成り立つものだということである.
本稿では,就学前から就学後にかけての支援の中で,どのように多職種連携が機能するのかを,私自身の実践を基に考察したい.

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