特集 妊産婦死亡の現状と削減に向けた対策
総論
大阪府母体救命システムの活動状況
金川 武司
1
KANAGAWA Takeshi
1
1国立循環器病研究センター産婦人科
pp.344-349
発行日 2023年3月10日
Published Date 2023/3/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000813
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はじめに
大阪府では,もともと1987年に大阪産婦人科診療相互援助システム(obstetrical gynecological mutual co-operative system:OGCS)が発足され,30年以上にわたって母体搬送システムとして稼働してきた。その後,2009年8月に国から新たに策定する周産期医療体制整備計画において「産科合併症以外の合併症を有する母体への救急医療等において,診療科間の連携体制」について検討を進めること等が示されたことから,2010年から「最重症合併症妊産婦受入体制」をさらに開始した。この体制は,産科救急合併症だけでなく,産科合併症以外の合併症を有する母体の救命を念頭に,重篤な状態にある妊産婦を速やかに適切な高次医療機関へ搬送するための周産期医療と救命救急医療の連携体制を整備したものである。本稿では,大阪府の母体救命救急搬送システムと活動状況について述べる。
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