特集 少産時代に対応する「働き方改革」と医療施設
新生児診療施設での対応
働き方改革後のNICUが直面する現実問題と対応
中西 秀彦
1
NAKANISHI Hidehiko
1
1北里大学医学部附属新世紀医療開発センター先端医療領域開発部門新生児集中治療学教授
pp.247-253
発行日 2023年2月10日
Published Date 2023/2/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000792
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はじめに
わが国の周産期医療は,諸外国のなかでも高い医療水準を維持しているが,現場の新生児医療を担当する医師の労働時間が他業種と比較してきわめて多いことが指摘されており,その優れた医療実績の背景には,長時間過重労働を厭わない新生児科医師の献身的努力があったことは否めない事実である。しかし,自己犠牲のうえで成り立つ医療は,目先の労働力を増やすことができたとして,長期的にみた場合には,結果的には労働力の低下をきたす可能性が高い。そこで診療時間外や休日にも業務を行う医師が多い現状を変えるために,また長時間労働に陥りがちな医師の健康を確保するために,現在,地域医療の「三位一体改革」というべき改革が2024年に向かって急速に進んでいる。
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