特集 Controversies in perinatology 2023 産科編
Tocolysis―短期
高橋 聡太
1
,
室月 淳
2
TAKAHASHI Sota
1
,
MUROTSUKI Jun
2
1八戸市立市民病院産婦人科
2宮城県立こども病院産科
pp.1664-1667
発行日 2022年12月10日
Published Date 2022/12/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000703
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はじめに
わが国では,切迫早産(頸管長短縮のみの症例含む)に対して,リトドリン塩酸塩による長期トコライシスが広く行われているが,同薬剤による48時間以上の妊娠延長効果を裏づけるエビデンスはない1,2)。また,リトドリン塩酸塩は投与期間が長いほど,母体に肺水腫や横紋筋融解など重篤な副作用が生じるリスクが高まる3)。米国食品医薬品局(FDA)はその副作用の多さから,リトドリン塩酸塩の米国内での販売を2011年に中止としており,さらに同じβ刺激薬であるテルブタリンの使用についても短期間にとどめるように警告を出している。
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