今月の臨床 早産予防・治療の現在地―最新の標準を探る
切迫早産の治療
―【tocolysis】―long term tocolysisの対象と効用
米田 哲
1
1富山大学学術研究部医学系産科婦人科学教室
pp.820-825
発行日 2023年8月10日
Published Date 2023/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409211041
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●本邦で定義されている切迫早産は,true labor(本格的な陣痛)を伴っていないケースでもその診断が可能であり,欧米におけるpreterm laborとは概念が異なっている.
●short term tocolysisは,true laborを伴ったpreterm laborに対して施行されるエビデンスの認められた治療であるが,true laborを伴っていない軽症〜中等症の切迫早産(本邦の診断)は対象外である.
●中等症の切迫早産(本邦の診断)に対して,long term tocolysisを施行することにより,施行しない場合に比し,平均で約2週間の妊娠延長効果が期待される.一方,軽症例には,その施行を慎むべきである.
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