増刊号 191の疑問に答える周産期の栄養
母体の栄養
4.妊娠中・体重増加
3)母体体重増加が胎児発育に与える影響―欧米との考え方の違い
竹田 善治
1
Takeda Yoshiharu
1
1総合母子保健センター愛育病院産婦人科
キーワード:
GWGへの介入
,
IMOガイドライン
,
ランダム化比較試験
Keyword:
GWGへの介入
,
IMOガイドライン
,
ランダム化比較試験
pp.319-320
発行日 2022年11月18日
Published Date 2022/11/18
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000537
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はじめに
妊娠中の母体体重増加量(gestational weight gain:GWG)が胎児発育に影響することは,これまで国内外から多くの観察研究で示されている。GWGを妊婦に指導する際,米国およびその他独自のGWG基準をもたない国の多くは,2009年に米国Institute of Medicine(IOM)が出したGWGに関するガイドライン1)を用いている。一方,英国では栄養が懸念される場合を除いて,妊娠中に繰り返し体重測定を行うことを推奨していない2)。また,日本や中国,スウェーデンなどのように独自のGWG推奨値や目安を策定している国もある。IMOガイドラインが出されて12年余り経過し,その間GWGへ介入を行うランダム化比較試験(randomized clinical trial:RCT)による報告も増えてきている。GWGと胎児発育の関係やGWGへの介入の結果などにつき,IOMや日本からの報告に基づいて述べる。
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