増刊号 191の疑問に答える周産期の栄養
母体の栄養
2.妊娠中の栄養と食事
2)ビタミン,食物繊維
後藤 未奈子
1
,
大槻 克文
1
Goto Minako
1
,
Otsuki Katsufumi
1
1昭和大学江東豊洲病院産婦人科
キーワード:
ビタミン
,
食物繊維
,
妊婦の食事摂取基準
,
付加量
Keyword:
ビタミン
,
食物繊維
,
妊婦の食事摂取基準
,
付加量
pp.274-277
発行日 2022年11月18日
Published Date 2022/11/18
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000524
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はじめに
妊娠中の適切なビタミン摂取は母体の妊娠維持および児の発育にとって重要である。十分なカロリーと蛋白質を含む通常の食事であるならば,妊娠中に必要量が増加するビタミンの大半は充足できる。開発途上国では一般的な総合ビタミン剤の補給によって低出生体重児と胎児発育不全の発生率を低下させたが,早産や周産期死亡率は変わらなかったという報告もある1)。一方,肉類や穀物,糖質,脂肪の摂取が多い先進国ではビタミンDなどが特に不足しやすく,野菜摂取の少ない偏った食事による複数の微量元素不足が問題となる。妊娠中のビタミン摂取は母体の代謝に関与するばかりではなく児の出生後の発育に関与するため極めて重要である。本稿では妊娠中のビタミンおよび食物繊維摂取とその必要性に関して解説する。
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