特集 見て,聞いて,触って,五感で診る新生児の異常とその対応
肛門の異常
松浦 玄
1
MATSUURA Gen
1
1松戸市立総合医療センター小児外科
pp.1434-1438
発行日 2022年10月10日
Published Date 2022/10/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000368
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はじめに
直腸~肛門,外陰は複合的な過程により発生・形成される。さまざまな過程における異常により多彩な形態異常を生じる1)。現在では肛門が形成されていないもの(鎖肛)だけでなく直腸肛門の発生の段階で生じた異常を含めた広い概念で直腸肛門奇形とされ,新生児にみられる肛門の異常の多くが該当し,複合的に存在することもある。出生前の診療において肛門の異常が指摘されることはまれであり,生後早期の診察で発見できると長期的な治療介入においても有利である。各疾患の細かい分類や診断方法については他書を参照していただくこととし,本稿では新生児の会陰部~肛門診察の際に外表から気づけるポイントと診断,大まかな治療方針と小児外科医へのコンサルト・紹介の緊急性などについて説明する。
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