特集 診断困難な小児外科症例:早期診断へのポイントとヒント
Wirsung管の特殊な走行により診断に苦慮した膵・胆管合流異常の1小児例
松浦 玄
1,2
,
齋藤 武
2
Gen Matsuura
1,2
,
Takeshi Saito
2
1松戸市立総合医療センター小児外科
2千葉県こども病院小児外科
pp.1113-1119
発行日 2022年11月25日
Published Date 2022/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000287
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はじめに
膵・胆管合流異常(pancreaticobiliary maljunction:PBM)では,膵管と胆管が十二指腸壁外で合流し,Oddi乳頭括約筋の作用が合流部に十分に及ばない。そのために膵液が胆道内に逆流し,胆汁と混じることで膵酵素の活性化がもたらされ,胆管炎,膵炎や胆道がんが惹起される。PBMはmagnetic resonance cholangiopancreatography(MRCP),内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP),あるいは術中胆道造影などで確定診断され,その合流形態は日本膵・胆管合流異常研究会による分類1)や新古味分類など2)が提唱されている。
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