特集 見て,聞いて,触って,五感で診る新生児の異常とその対応
腹部の異常
松浦 俊治
1
,
田尻 達郎
1
MATSUURA Toshiharu
1
,
TAJIRI Tatsuro
1
1九州大学大学院医学研究院小児外科学分野
pp.1389-1393
発行日 2022年10月10日
Published Date 2022/10/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000357
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はじめに
腹部の診察において,「異常なお腹の張り」を認識することが,まずは大切な第一歩となる。新生児の腹部は,腹壁筋層が未熟であり,通常でも腹部膨満気味である。病的な腹部膨満は,腹部の膨満状態が増強して緊満した状態であり,その原因は以下の3つに要約される。① 消化管自体が拡張した状態,② 腹腔内に腹水やfree airが貯留した状態,③ 腹腔内実質臓器の腫大や腹腔内腫瘍の発生,である。本稿では,これらの病態を呈する代表的な新生児腹部疾患の概略とそのアセスメントについて述べる。
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