特集 Late preterm・Early termを展望する
総論
Late preterm・Early term児に対する問題意識
板橋 家頭夫
1
ITABASHI Kazuo
1
1愛正会記念茨城福祉医療センター
pp.460-463
発行日 2022年4月10日
Published Date 2022/4/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000106
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はじめに
超早産児の短期および長期予後は,それ以上の在胎の早産児より不良であることが広く知られており,周産期医療従事者の関心も高い。一方,早産児でも在胎34週0/7~36週6/7のlate preterm(LP)児においては,死亡や合併症,神経学的後障害のリスクは超早産児に比べ低いことから,あまり関心を集めてこなかった。初めて本誌でLPが特集として取り上げられたのは2008年(38巻8号)であり,LP児の予後が看過できないことが指摘された。これ以後わが国でも少しずつLPが注目されるようになったように思われる。その後,在胎37週0/7~38週6/7で出生したearly term(ET)児は,満期産児(39週0/7~40週6/7で出生)に比べて死亡率や神経学的後障害のリスクが高いことが報告1,2)され,現在はET児にも目が向けられつつある。
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