特集 Late preterm・Early termを展望する
各論
新生児編―Late preterm・Early term児の生理学的特徴と疾患と管理法 栄養
荒井 美輝
1
,
東海林 宏道
1
ARAI Yoshiteru
1
,
SHOJI Hiromichi
1
1順天堂大学医学部附属順天堂医院小児科
pp.575-578
発行日 2022年4月10日
Published Date 2022/4/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000131
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はじめに
late preterm(LP)児の出生数は早産児の大部分を占め,2019年の国内統計ではLP児を含む在胎32~36週の出生数は42,430人で,早産児全体(48,538人)の87.4%である1)。LP児の外見や体格は正期産児と相違がないことも多く,一般産科病棟で正期産児と同様にケアされることもあるが,未熟性に伴う臨床的リスクへの注意が必要である。LP児では,吸啜運動や消化管機能の未熟性による哺乳不良や吸収不良,母乳分泌不足や肝グリコーゲン貯蔵量不足などにより,生後早期の栄養必要量を充足できないことがある。出生後の早産児における栄養管理目標は,本来の在胎期間の胎児と同等の成長率を達成すること,および正期産児と同等の発達を獲得することであるが,国内ではLP児に対する栄養管理指針が確立していない。
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