特集 先天性難聴への対応
人工内耳埋め込み術を10代で施行した先天性および進行性難聴―術前発話明瞭度と術後日常会話文聴取の比較
榎本 千江子
1
,
南 修司郎
1
,
竹腰 英樹
2,3
,
加我 君孝
2,4
Chieko Enomoto
1
,
Shujiro Minami
1
,
Hideki Takegoshi
2,3
,
Kimitaka Kaga
2,4
1国立病院機構東京医療センター耳鼻咽喉科
2国立病院機構東京医療センター臨床研究・感覚器センター
3東京ロンフェルメ耳鼻いんこう科
4神尾記念病院附属聴覚クリニック
キーワード:
先天性難聴
,
進行性難聴
,
人工内耳
,
発話明瞭度
,
装用効果
Keyword:
先天性難聴
,
進行性難聴
,
人工内耳
,
発話明瞭度
,
装用効果
pp.771-774
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000195
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はじめに
幼児期に難聴が発見され,補聴器装用閾値がいわゆるオージオグラム上のスピーチバナナに入っている,あるいは手術に対する拒否感などを理由に人工内耳埋め込み術を受けていなかった難聴児が,10代になってから,聴取能力の改善を目的に人工内耳埋め込み術を希望する場合がある。近年,先天性難聴の人工内耳埋め込み術を受ける年齢は4歳以下が32%を占め,10代で手術を受ける割合は6%にすぎない1)(図1)。しかし,10代で手術を受けた場合の人工内耳装用経過について,語音聴取はかなり限られるとの報告2)もあるが,発話明瞭度も含めてまだ不明な点が多い。
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