特集 ここまで進化した補聴器と人工内耳診療
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視覚聴覚二重障害と人工内耳による聴覚の再獲得
加我 君孝
1,2
,
関口 香代子
1
,
榎本 千江子
1
Kimitaka Kaga
1,2
,
Kayoko Sekiguchi
1
,
Chieko Enomoto
1
1国立病院機構東京医療センター感覚器センター
2神尾記念病院附属聴覚クリニック
キーワード:
人工内耳
,
視覚聴覚二重障害
,
盲ろう
,
コミュニケーション
Keyword:
人工内耳
,
視覚聴覚二重障害
,
盲ろう
,
コミュニケーション
pp.217-221
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000052
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はじめに
視覚障害者にとって聴覚は,①ラジオ・テレビなどから音声情報を得る,②会話や電話による音声のコミュニケーション,③白杖による移動の際の方向感覚や音源定位に大きな貢献をする。しかし成長や加齢とともに視覚障害に加えて難聴が合併した場合,聴覚による,①情報保障,②コミュニケーション,③単独の移動の3つとも失われる。心理的困難,教育を受けたり仕事を継続することの困難や1人での移動の際にも介助者が必要になるなど心理面や日常生活でも大きな困難に直面する。さらに補聴器を装用しても視覚障害により読話が不可能なため音声でのやりとりが難しくなり,補聴器の装用を中止することが多い。
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