特集 咀嚼と嚥下と誤嚥性肺炎
咀嚼,嚥下,誤嚥性肺炎の検査
咀嚼・口腔機能の検査
中島 純子
1
Junko Nakajima
1
1東京歯科大学オーラルメディシン・病院歯科学講座
キーワード:
咀嚼機能検査
,
舌機能検査
,
口腔機能
Keyword:
咀嚼機能検査
,
舌機能検査
,
口腔機能
pp.506-510
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000127
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口腔機能と咀嚼
口腔機能という言葉は明確には定義されていないが,一般的には食べる,話す,呼吸に関連する機能を指し,咀嚼,嚥下,発音,哺乳,呼吸,審美などが代表的な機能として捉えられる。咀嚼は,単に歯や義歯で「咬断する,咬む」という動作で成り立つのではなく,歯,舌,下顎の運動,筋,口唇,頰粘膜,唾液の分泌など,口腔領域の多くの器官が協調して営む複雑な運動である。口腔粘膜には,痛点,圧点(触点),冷点,温点の各感覚点,舌にはさらに味覚や舌筋の位置や動きを甘受する深部感覚も存在し,咀嚼筋の紡錘筋,顎関節の体性感覚や深部感覚,歯と歯槽骨をつなぐ歯根膜によっても痛覚や触覚,圧覚を感じている。これらの感覚により,われわれは食品の微妙なテクスチャーを感じ,各々の食品に適した咀嚼運動を営んでいる。
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