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特集 腎疾患治療薬 フロントライン
総論
3.腎不全患者の薬剤管理(ポリファーマシー)
Drug management of patients with renal failure:Polypharmacy
國津 侑貴
1
,
寺田 智祐
1
Kunitsu Yuki
1
,
Terada Tomohiro
1
1京都大学医学部附属病院薬剤部
キーワード:
ポリファーマシー
,
多剤併用
,
薬剤管理
,
多職種連携
Keyword:
ポリファーマシー
,
多剤併用
,
薬剤管理
,
多職種連携
pp.14-19
発行日 2025年11月15日
Published Date 2025/11/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000002097
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1 はじめに
腎不全患者は,腎性貧血や慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常(chronic kidney disease mineral and bone disorder:CKD-MBD)といった腎不全に起因する疾患と,高血圧や心不全といった腎不全の背景となる疾患を合併することが多く,疾患ごとに異なった治療薬が使用されるため多剤併用となりやすい。65歳以上の入院患者を調査した報告では,推算糸球体濾過量(estimated glomerular filtration rate:eGFR)区分がG1/2の患者群では42.0%,G4群では84.1%,G5D群では90.5%に6種類以上の定時服用薬があったと報告されている1)。さらに透析患者においては,1日平均8.6種類17.8錠の薬が処方されていると報告がある2)。単に服用する薬剤数が多いことが“ポリファーマシー”となるわけではないが,薬剤が適切に管理されない場合,相互作用や有害事象のリスクが高まり,“ポリファーマシー”として問題視される。

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