特集 老年栄養―高齢者の低栄養,フレイル,サルコペニア
老年栄養を極める
ポリファーマシーと栄養障害の関連性
小瀬 英司
1
1帝京大学医学部附属病院 薬剤部
キーワード:
ポリファーマシー
,
潜在的不適切処方(PIMs)
,
潜在的過小処方(PPOs)
,
抗コリン薬
,
栄養障害
Keyword:
ポリファーマシー
,
潜在的不適切処方(PIMs)
,
潜在的過小処方(PPOs)
,
抗コリン薬
,
栄養障害
pp.269-273
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_269
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Summary
▪ポリファーマシーと栄養障害は,現代の医療では頻繁に生じうる.とくに高齢者層ではQOLや死亡率に大きな影響を及ぼす.
▪高齢者はmultimorbidityの状態にあることが多いため,それぞれのガイドラインに沿って薬物治療を行うと,必然的に薬剤数が多くなる.
▪薬剤数の増加は薬物有害事象の発現につながり,栄養障害を惹起させる.
▪栄養障害は,薬物動態や薬力学の変化をもたらすことが非常に多く,通常の投与量でも薬効が増強し,薬物有害事象の発現頻度も高くなる.そして,それがさらなる栄養障害をもたらすという悪循環が生じる.
© Nankodo Co., Ltd., 2022