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特集 腎性貧血の最新動向―2025年版CKD患者における腎性貧血治療ガイドラインの要点と実践
総論
腎性貧血治療 第一選択薬としてのESA
ESA as the first-line agent for the treatment of renal anemia
阿部 雅紀
1
ABE Masanori
1
1日本大学医学部内科学系腎臓高血圧内分泌内科学分野
キーワード:
腎性貧血
,
透析患者
,
赤血球造血刺激因子製剤
,
低酸素誘導因子-プロリン水酸化阻害薬
Keyword:
腎性貧血
,
透析患者
,
赤血球造血刺激因子製剤
,
低酸素誘導因子-プロリン水酸化阻害薬
pp.287-292
発行日 2025年9月25日
Published Date 2025/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000002015
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はじめに
赤血球造血刺激因子製剤(erythropoiesis-stimulating agent:ESA)の開発と臨床応用により,慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)患者に合併する貧血は容易に是正できるようになった。特に透析患者においては,これまで心不全による死亡が最多であったが,現在では感染症が最多となっている。心不全による死亡率の低下は,透析患者の貧血コントロールが改善していることも要因として考えられる。現在では,ESAによる腎性貧血治療において,目標ヘモグロビン(hemoglobin:Hb)値をどのように設定するかが重要な問題となっている。近年,経口薬である低酸素誘導因子(hypoxia inducible factor:HIF)-プロリン水酸化(prolyl hydroxylase:PH)阻害薬が登場したが,保存期CKDでの使用割合は増加しているものの,透析患者においては今なお注射製剤のESAが使用されている。透析患者において,なぜ第一選択薬としてESA,第二選択薬としてHIF-PH阻害薬なのか,その理由について概説する。

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