Japanese
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特集 CKD-MBD ―進歩と革新
リン,カルシウム,PTHの管理
腹膜透析患者
Peritoneal dialysis patients
村島 美穂
1
MURASHIMA Miho
1
1近畿大学医学部腎臓内科
キーワード:
腹膜透析
,
リン
,
カルシウム
,
副甲状腺ホルモン(PTH)
Keyword:
腹膜透析
,
リン
,
カルシウム
,
副甲状腺ホルモン(PTH)
pp.657-660
発行日 2025年5月25日
Published Date 2025/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001883
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はじめに
血液透析患者において,リン,カルシウム,副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone:PTH)値と生命予後の関連は広く研究されてきた1)。高リン血症,高カルシウム血症,PTH高値で死亡率が高いことは多くの研究で一致している。一方で,低リン血症,低カルシウム血症,PTH低値が生命予後と関連するかは,研究によって一致していない。また,腹膜透析患者に限定した研究は少ない。腹膜透析患者では,血液透析患者に比べて低回転骨が多く2),骨回転と血管石灰化の関連が血液透析患者ほど明らかではない3)。腹膜透析患者では,血液透析のように透析中に急激なカルシウムの変動が起こらない。そのため,腹膜透析では,リン,カルシウム,PTHと死亡の関連が血液透析とは異なっている可能性がある。ここでは,腹膜透析におけるリン,カルシウム,PTH値と予後の関連について,これまでの知見や,腹膜透析液カルシウム濃度が骨代謝マーカーに及ぼす影響をまとめた。

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