特集 日常診療における内分泌疾患
主な甲状腺・副甲状腺疾患とその診断・治療
副甲状腺機能低下症
野津 雅和
1
1島根大学医学部内科学講座内科学第一
キーワード:
副甲状腺機能低下症
,
カルシウム
,
低カルシウム血症
,
副甲状腺ホルモン(PTH)
,
低マグネシウム血症
Keyword:
副甲状腺機能低下症
,
カルシウム
,
低カルシウム血症
,
副甲状腺ホルモン(PTH)
,
低マグネシウム血症
pp.359-364
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000095
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1 副甲状腺機能低下症の代表的な症候は低カルシウム血症である.日常診療で低カルシウム血症を認めた場合,頻度の高いビタミンD欠乏,慢性腎臓病,低マグネシウム血症などを中心に鑑別を行う.
2 副甲状腺機能低下症による低カルシウム血症の治療には活性型ビタミンD製剤を用いる.症状が出ない程度の正常低値からやや低めの血清Ca濃度(7.8~8.5mg/dL前後)を保ちつつ,尿中Ca排泄が高値にならないように用量を調整する.
3 痙攣や呼吸筋麻痺などを伴う重度の低カルシウム血症を認めた際には,低カルシウム血症を呈する病態が複数存在している可能性がある.症状への対応とともに,背景に未診断の副甲状腺機能低下症がないか確認する.
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