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特集 「糸球体上皮細胞学」の最新知見
各論
腎疾患と上皮細胞
糸球体上皮細胞を保護する薬剤
Podocyte-protective agents
原 章規
1,2
HARA Akinori
1,2
1金沢大学附属病院腎臓・リウマチ膠原病内科
2金沢大学医薬保健研究域医学系衛生学・公衆衛生学
キーワード:
ポドサイト
,
細胞骨格
,
蛋白尿
,
個別化治療
,
バイオマーカー
Keyword:
ポドサイト
,
細胞骨格
,
蛋白尿
,
個別化治療
,
バイオマーカー
pp.371-376
発行日 2025年3月25日
Published Date 2025/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001813
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はじめに
糸球体上皮細胞は,腎臓の糸球体濾過障壁の維持に重要な役割を果たしている。そして,糸球体上皮細胞は,蛋白尿を伴う多くの腎臓病における障害の主要な標的細胞である。糸球体上皮細胞障害に対する治療法として,これまでは免疫抑制薬や降圧薬を主とした既存の薬剤のうち,蛋白尿減少効果が認められるものが使用されてきた。しかしながら,蛋白尿を伴う腎臓病に対する効果が限られること,薬剤の有害事象による不耐性と関連するなどの課題がある。こうしたなか,糸球体上皮細胞を直接の標的とする治療法の開発が進んでいる。その結果,さまざまな薬剤や治療アプローチが糸球体上皮細胞を保護し,さまざまな腎臓病における蛋白尿および腎機能を改善する可能性が示されてきている。

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