Japanese
English
特集 「糸球体上皮細胞学」の最新知見
総論
糸球体上皮細胞におけるDNA損傷とDNAメチル化
DNA damage and DNA methylation in glomerular epithelial cells
菱川 彰人
1
,
中道 蘭
1
,
林 香
1
HISHIKAWA Akihito
1
,
NAKAMICHI Ran
1
,
HAYASHI Kaori
1
1慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科
キーワード:
ポドサイト
,
DNA損傷
,
DNAメチル化
Keyword:
ポドサイト
,
DNA損傷
,
DNAメチル化
pp.325-328
発行日 2025年3月25日
Published Date 2025/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001804
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
糸球体は腎機能の維持に不可欠な構造であり,そのなかでもポドサイト(糸球体上皮細胞)は,高度に分化した終末分化細胞として濾過障壁の維持において中心的役割を担っている。ボウマン囊内面を被覆し,互いに隣接する足突起の間に形成されるスリット膜によって,高分子蛋白の漏出を抑制する選択的透過バリアを構築している。このようにポドサイトは,腎糸球体機能の最終関門を形成しているが,細胞増殖能がきわめて低いため,一度傷害を受けると恒常的な補充が困難である。そのためポドサイト障害は,不可逆的な糸球体硬化,そして最終的な腎機能低下を引き起こす要因となる1)。

© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.