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特集 腎臓リハビリテーション up to date
総論
腎臓リハビリテーションへの期待:医療経済学の視点から
Expectations for renal rehabilitation:from a health economics perspective
田倉 智之
1
TAKURA Tomoyuki
1
1日本大学医学部社会医学系医療管理学分野
キーワード:
費用対効果分析
,
医療価値評価
,
デジタルヘルス
,
診療報酬制度
,
慢性腎不全
Keyword:
費用対効果分析
,
医療価値評価
,
デジタルヘルス
,
診療報酬制度
,
慢性腎不全
pp.149-154
発行日 2025年2月25日
Published Date 2025/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001766
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Ⅰ 腎臓リハビリテーションの医療経済を論じる意義
腎臓リハビリテーションは,腎臓病罹患者や透析施行患者が地域社会で自分らしく長生きできるように,身体機能や精神状態,および生活の質(QOL)を改善することを目的としている。そのプログラムとして,運動療法,食事療法,水分管理,薬物治療,病気や生活に関する教育指導,精神・心理面の支援が挙げられる。また,本介入においては,理学・作業療法士だけでなく,医師,看護師,薬剤師,栄養士など,専門知識をもった多職種がかかわるのが特徴である。このような臨床的な位置づけを背景に,2022年4月の診療報酬改定において,透析中の運動指導に係る評価の「透析時運動指導等加算【人工腎臓】」が新設されたのは記憶に新しいところである。すなわち,透析時運動指導等加算として,当該指導を開始した日から起算して90日を限度として,75点が所定点数に加算された。その後の診療報酬改定においても,腎臓リハビリテーションの普及につながる議論が進んでいる。

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