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特集 CKD患者に望まれる造血・鉄代謝異常の管理
各論
CKD患者のターゲットHbの考え方 血液透析
Target hemoglobin level in patients undergoing hemodialysis
孤杉 公啓
1
,
鶴屋 和彦
1
KOSUGI Takaaki
1
,
TSURUYA Kazuhiko
1
1奈良県立医科大学腎臓内科学
キーワード:
血液透析
,
ヘモグロビン
,
腎性貧血
Keyword:
血液透析
,
ヘモグロビン
,
腎性貧血
pp.826-831
発行日 2024年12月25日
Published Date 2024/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001697
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はじめに
日本透析医学会より発刊されている2015年版「慢性腎臓病患者における腎性貧血治療のガイドライン」では,成人の血液透析(hemodialysis:HD)患者の場合,維持すべき目標ヘモグロビン(hemoglobin:Hb)値は週はじめの採血で10g/dL以上12g/dL未満とし,複数回の検査でHb値10g/dL未満となった時点で腎性貧血治療を開始することを推奨するとしている1)。この推奨は,過去の介入研究,観察研究をもとに作成されているが,新たな研究結果も踏まえて,現在ガイドラインの改訂作業が進められている。目標Hb値が現行のまま据え置きとなるのか,もしくは変更の必要性があるのか,またこの目標Hb値はすべての患者に適用できるのかという点が関心事項になると思われる。わが国と海外とでは,赤血球造血刺激因子製剤(erythropoiesis-stimulating agent:ESA)の投与量や鉄指標に大きな違いが存在するため,本稿では,わが国の研究結果を中心にHD患者の目標Hb値について述べる。
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