Japanese
English
特集 腎と微量元素―鉄・銅・亜鉛を中心に
各論
腎移植患者における微量元素
Trace elements in kidney transplant recipients
栁 麻衣
1
YANAGI Mai
1
1日本赤十字社医療センター腎臓内科
キーワード:
鉄欠乏
,
鉄過剰
,
銅過剰
,
亜鉛欠乏
Keyword:
鉄欠乏
,
鉄過剰
,
銅過剰
,
亜鉛欠乏
pp.727-729
発行日 2024年11月25日
Published Date 2024/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001536
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
身体機能を健常に保つために必要な栄養素として,三大栄養素以外に重要な栄養素の1つが微量元素である。慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)患者では,食事摂取量の不足や尿毒症による異化亢進,慢性炎症,透析の実施による影響などから,微量元素の代謝に異常をきたすことが知られている1)。CKD患者における微量元素の恒常性の維持は,免疫機能の調整や成長と発達の促進において重要であり,感染症や心血管疾患,貧血,骨ミネラル代謝異常の軽減に有効である2)。さらに末期腎不全(end-stage kidney disease:ESKD)患者においては,微量元素の代謝異常が合併症と死亡リスクの増大に関与することが知られている。このような背景から近年,CKD患者における微量元素に注目が集まっているが,腎移植患者における知見はまだまだ乏しい。本稿では,腎移植患者における微量元素の代謝異常について述べる。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.