特集 CKD診療におけるビタミンと微量元素
2.各ビタミン・微量元素の現況(5)亜鉛および銅代謝
中村 奈央
1
,
深水 圭
1
1 久留米大学医学部内科学講座腎臓内科部門
キーワード:
亜鉛欠乏
,
銅欠乏
,
腎性貧血
,
CKD
,
透析
Keyword:
亜鉛欠乏
,
銅欠乏
,
腎性貧血
,
CKD
,
透析
pp.661-666
発行日 2021年7月10日
Published Date 2021/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001768
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CKD患者における赤血球造血刺激因子製剤(ESA)抵抗性貧血の原因の一つとして,亜鉛欠乏が着目されている.CKD患者では,ネフローゼ症候群における低アルブミン血症,尿毒症からの亜鉛摂取不足,リン吸着薬による亜鉛吸収低下,透析患者では,透析液へのアルブミン喪失など,亜鉛欠乏の原因になりうる病態が多く存在する.亜鉛を補充することで,貧血の改善のみならず,皮膚瘙痒症,味覚障害の改善が期待でき,また近年,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防および治療に亜鉛が注目されている.一方で,亜鉛の過剰投与は銅欠乏を誘発し,銅欠乏性貧血や,歩行障害,感覚異常などの神経学的異常を呈することがあるため注意が必要である.
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