特集 CKD診療におけるビタミンと微量元素
2.各ビタミン・微量元素の現況(8)認知症と微量元素
渡邊 一樹
1
,
宮嶋 裕明
1,2
1浜松医科大学内科学第一講座
2天竜厚生会診療所
キーワード:
慢性腎臓病
,
認知症
,
亜鉛欠乏
,
ビタミン欠乏
Keyword:
慢性腎臓病
,
認知症
,
亜鉛欠乏
,
ビタミン欠乏
pp.681-686
発行日 2021年7月10日
Published Date 2021/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001771
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慢性腎臓病患者では脳血管障害に伴い脳血管性認知症が増加するが,それのみならず食事制限や血液透析による亜鉛やビタミン欠乏も認知機能低下と関連している.亜鉛は中枢神経系に多く含まれ,不足により海馬障害が生じ,学習記憶障害が生じることがわかってきている.ビタミンB1 欠乏では亜急性に進行する認知症のWernicke-Korsakoff 症候群をきたし,ビタミンB12や葉酸欠乏では大球性貧血,末梢神経障害,亜急性連合性脊髄変性症だけでなく,認知症をきたすことがある.これらの亜鉛やビタミンの欠乏による認知症は適切な補充療法により予防や治療が可能であり,見逃さないようにすることが重要である.
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