特集 CKD患者を診たら―最近のCKD診療の知見とその活かし方
一般診療でも遭遇する腎臓の指定難病
多発性囊胞腎
吉川 純平
1
,
西尾 妙織
1
1北海道大学大学院医学研究院免疫・代謝内科学教室
キーワード:
多発性囊胞腎
,
cAMP
,
腎容積
,
tolvaptan
Keyword:
多発性囊胞腎
,
cAMP
,
腎容積
,
tolvaptan
pp.1041-1044
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_1041
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Summary
▪常染色体優性遺伝性多発性囊胞腎(ADPKD)は,長らくその進行に対する根本的な薬物療法はなく,いわゆるCKD管理のような保存的加療が中心であった.
▪近年進行を増悪させる因子の解明が進んできており,なかでもバソプレシンが環状アデノシン一リン酸(cAMP)を介して囊胞を増悪させることが明らかとなった.
▪バソプレシンV2受容体拮抗薬であるtolvaptanは囊胞増大速度および腎機能低下速度を抑制する治療薬として承認され,現在多くの患者に投与されている.
▪内服治療に加えて,食事・体重管理・飲水・降圧などの生活指導の大切さも報告されてきており,複合的な管理をしていくことが大切である.
© Nankodo Co., Ltd., 2021