Japanese
English
特集 在宅透析
腹膜透析
PDとHDどちらが生命予後良好?
Which modality has a better patient survival for incident dialysis patients peritoneal dialysis or hemodialysis?
丸山 之雄
1
MARUYAMA Yukio
1
1東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科
キーワード:
生命予後
,
残存腎機能
,
無作為化比較試験(randmized controlled trial:RCT)
,
観察研究
,
選択バイアス
Keyword:
生命予後
,
残存腎機能
,
無作為化比較試験(randmized controlled trial:RCT)
,
観察研究
,
選択バイアス
pp.439-442
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001264
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
腎移植の症例数の限られているわが国において,末期腎不全(end stage kidney disease:ESKD)に至った症例のほとんどは腹膜透析(peritoneal dialysis:PD)か血液透析(hemodialysis:HD)のいずれかを選択することになるが,わが国のPD患者は全体の3.0%と,HD患者と比べてとても少ない1)。PDはHDと比較して,頻回の医療機関への通院が必要なく,食事制限も緩やかであり,バスキュラーアクセスが不要でquality of life(QOL)が保たれやすいと考えられているが,その一方で,生体膜である腹膜を透析膜として使用するため,溶質除去能に制限があり,残存腎機能が減少した症例や,腹膜機能の悪化した症例では至適透析を維持することができず,HDやPD+HD併用療法への移行を検討しなければならない。ここで,2種類の治療法がある時に,生命予後が良好なものを選択することが大原則であり,evidence based medicine(EBM)の概念が定着している。本稿では,PDとHDのいずれが生命予後良好であるか,文献的考察を主体に考えてみたい。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.