Japanese
English
特集 百寿者研究から探る健康長寿への道
百寿者の心血管機能と生命予後
Cardiovascular function and mortality in centenarians
平田 匠
1
Takumi HIRATA
1
1奈良県立医科大学附属病院臨床研究センター
キーワード:
心血管疾患
,
心房細動
,
NT-proBNP
,
生命予後
,
百寿者
Keyword:
心血管疾患
,
心房細動
,
NT-proBNP
,
生命予後
,
百寿者
pp.287-290
発行日 2024年1月27日
Published Date 2024/1/27
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28804287
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
世界的規模で急速に高齢化が進展しており,わが国における100歳以上の百寿者の人口は2023年4月時点で91,000名となっている.健康寿命の規定要因に関する分析を含めた健康寿命の延伸につながる高齢者研究が近年推進されており,理想的な健康長寿モデルである百寿者を対象とした研究が増加している.百寿者では高血圧の有病割合が高いものの,糖尿病の有病割合は低く,循環器疾患の有病割合も必ずしも高くない.また心機能検査において心房細動や高血圧などに伴う左室肥大を有する割合は年齢の上昇に伴い増加するが,心臓超音波検査では左室収縮能が保たれている者の割合が高く,循環機能が高齢になるまで保たれる傾向が見受けられる.近年の国内外における疫学研究により百寿者の生命予後を規定する要因が明らかとなり,心房細動の発症を含む心機能の低下や心腎連関の破綻,全身性の炎症,低栄養状態の持続が百寿者における生命予後の規定要因として知られている.
Copyright © 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.