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特集 病因・病態生理から読み解く腎・泌尿器疾患のすべて
Ⅷ.腎移植関連
5.多発性囊胞腎の腎移植と透析腎癌
Kidney transplantation for polycystic kidney disease and renal cellular carcinoma in ESKD
日髙 寿美
1
,
小林 修三
1
Hidaka Sumi
1
,
Kobayashi Shuzo
1
1湘南鎌倉総合病院 腎臓病総合医療センター
キーワード:
肝囊胞
,
脳動脈瘤
,
囊胞感染
,
心臓弁膜症
Keyword:
肝囊胞
,
脳動脈瘤
,
囊胞感染
,
心臓弁膜症
pp.566-572
発行日 2023年12月15日
Published Date 2023/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001095
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多発性囊胞腎(polycystic kidney disease:PKD)
1 病因・病態
常染色体顕性(優性)多発性囊胞腎(autosomal dominant polycystic kidney disease:ADPKD)は,両側腎臓に多数の囊胞が進行性に発生・増大し,腎臓以外の種々の臓器にも障害が生じる,遺伝性腎疾患のなかでは最も頻度の高い疾患である1)。加齢とともに囊胞が両腎に増加,進行性に腎機能が低下し,60歳までに約半数が末期腎不全(end-stage kidney disease:ESKD)に至る。遺伝形式は常染色体顕性(優性)遺伝であり,変異アレルを有している場合,男女ともに発症する。両親が本疾患に罹患していなくても,新たな突然変異により発症する場合がある。原因遺伝子としてPKD1(16p13.3)とPKD2(4q21)が知られ,80%がPKD1遺伝子の変異,15%がPKD2遺伝子の変異,残りの5%は両遺伝子の変異を検出できなかったか,その他の遺伝子の変異とされている。
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