原疾患と合併症に合わせた透析導入と透析維持
多発性嚢胞腎
諏訪部 達也
1
,
乳原 善文
1虎の門病院腎センター
キーワード:
肝腫大
,
血尿
,
心臓弁膜症
,
脳動脈瘤
,
腎嚢胞-多発性
,
病巣感染
,
診療ガイドライン
,
腫脹
,
結腸憩室
,
腎機能障害
,
PKD1 Protein
,
PKD2 Protein
Keyword:
Intracranial Aneurysm
,
Diverticulum, Colon
,
Focal Infection
,
Heart Valve Diseases
,
Polycystic Kidney Diseases
,
Hepatomegaly
,
Hematuria
,
Practice Guidelines as Topic
,
Renal Insufficiency
,
Polycystic Kidney Disease 1 Protein
,
Polycystic Kidney Disease 2 Protein
pp.1093-1101
発行日 2014年8月10日
Published Date 2014/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2014338199
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常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)は,もっとも多い遺伝性腎疾患である.一般的に30~50歳にかけて嚢胞の拡大を認め,60歳までに約半数が末期腎不全に移行する.透析導入後にも腎腫大が進行し,著明な腹部膨満をきたすことがある.また,肝嚢胞,脳動脈瘤などを合併することもある.本邦でのADPKDを原疾患とする透析患者は,全体の3.4%,透析導入平均年齢は62.5歳である.腎動脈塞栓術(TAE)は,ADPKD患者の著明な腫大腎の容積縮小に有効であると考えられる.肝TAEは,腎TAEに比べ縮小効果は限定的である.嚢胞感染症は,しばしば発生する合併症で,難治化し再発を繰り返すことがある.脳動脈瘤は致死的な合併症であり,定期的なスクリーニング検査が重要である.
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