難病指定腎疾患-保存期CKDと腎代替療法期における管理
遺伝性疾患 多発性嚢胞腎
一居 充
1
,
石村 栄治
1大阪市立大学 大学院医学研究科代謝内分泌病態内科学
キーワード:
高血圧
,
脳動脈瘤
,
腎置換療法
,
難病
,
腎嚢胞-常染色体優性多発性
,
Tolvaptan
Keyword:
Catastrophic Illness
,
Intracranial Aneurysm
,
Hypertension
,
Renal Replacement Therapy
,
Polycystic Kidney, Autosomal Dominant
,
Tolvaptan
pp.445-450
発行日 2016年4月10日
Published Date 2016/4/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2016238906
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常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)は,PKD1とPKD2遺伝子に変異が認められる遺伝性腎疾患のなかではもっとも頻度の多い疾患である.ADPKDは60歳までに約半数の患者が透析導入に至る.診断には超音波検査,CT,MRIのような画像検査が必須である.ADPKDに対する治療は降圧療法など保存的治療しかなかったが,2014年から本邦でトルバプタンが使用可能となっており,現在までの報告ではトルバプタンは嚢胞の増大,腎機能障害の進行の抑制を認めている.腎代替療法では,ADPKD症例でも腹膜透析は禁忌ではなく,また腎移植後に嚢胞が縮小する可能性もある.
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