Japanese
English
特集 病因・病態生理から読み解く腎・泌尿器疾患のすべて
Ⅳ.全身性疾患に伴う腎障害
15.IgG4関連疾患
IgG4-related disease
佐伯 敬子
1
Saeki Takako
1
1長岡赤十字病院内科
キーワード:
IgG4(Immunoglobulin 4)
,
臓器腫大
,
リンパ球
,
形質細胞
,
花筵状線維化
Keyword:
IgG4(Immunoglobulin 4)
,
臓器腫大
,
リンパ球
,
形質細胞
,
花筵状線維化
pp.259-263
発行日 2023年12月15日
Published Date 2023/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001036
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1 病因・病態
IgG4関連疾患(IgG4-related disease:IgG4-RD)は自己免疫性膵炎とミクリッツ病研究を発端として21世紀に入りわが国より発信された新たな疾患概念である1)。現在は世界に広く認知されており,免疫反応が関連した慢性的な炎症により,全身の諸臓器に多数のリンパ球とIgG4陽性形質細胞浸潤と線維化が生じ,臓器腫大や腫瘤,肥厚性病変あるいは機能障害をきたす疾患,と定義されている2, 3)。病変は全身に及ぶが,顎下腺,涙腺,眼窩,膵臓,胆管,腎臓,肺,後腹膜,大動脈周囲に好発する。通常血清IgG4は上昇し,診断に有用である。病変がみられるのは単一臓器のこともあるが,多くは多臓器に及び,同時あるいは時間を違えて出現する1)。発症には疾患関連遺伝子,自己免疫,獲得免疫や自然免疫などの複数の因子が報告されているが4),その病態はいまだ不明である。
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