Japanese
English
症例報告
皮下結節の生検から多臓器症状の診断に至ったIgG4関連疾患の1例
A case of IgG4-related disease that was diagnosed as the result of a biopsy of a subcutaneous nodule
岡本 奈都子
1
,
野々村 優美
1
,
林 雄二郎
1
,
山本 鉄郎
2
,
十一 英子
1
Natsuko OKAMOTO
1
,
Yumi NONOMURA
1
,
Yujiro HAYASHI
1
,
Tetsuro YAMAMOTO
2
,
Eiko TOICHI
1
1京都医療センター皮膚科
2京都医療センター病理診断科
1Division of Dermatology, National Hospital Organization Kyoto Medical Center, Kyoto, Japan
2Division of Pathology, National Hospital Organization Kyoto Medical Center, Kyoto, Japan
キーワード:
IgG4関連疾患
,
皮下結節
,
形質細胞
Keyword:
IgG4関連疾患
,
皮下結節
,
形質細胞
pp.421-426
発行日 2015年5月1日
Published Date 2015/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204463
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要約 70歳,男性.2004年,胸部X線検診にて異常陰影を指摘され,以後慢性閉塞性肺疾患と喘息の診断で加療されていた.同時期より顎下腺腫脹が,その後左眼瞼の腫脹が出現した.2012年にPET-CTを施行され,肺野の異常陰影,涙腺と顎下腺の腫大とともに,両上腕にFDG集積亢進を伴う皮下結節を認めたため,当科紹介となった.左上腕外側の皮下結節を生検した病理組織像で,リンパ球・形質細胞の浸潤が著明で,IgG4陽性形質細胞50個/HPF,IgG4/IgG陽性細胞比40%以上であった.血清IgG4も4,160mg/dlと著明高値で,IgG4関連疾患との診断に至った.プレドニゾロン30mg/日を投与し,皮下結節などの症状は消失し血清IgG4は低下した.IgG4関連疾患は,2001年に最初に報告された新しい疾患概念で発症機序は不明の多臓器病変である.皮膚病変の報告はまだ少ないが診断の契機となることがあり,鑑別疾患として念頭に置くことが重要である.
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